舌下免疫療法とは
舌下免疫療法は、舌の下にアレルギーの原因となる物質（アレルゲン）が含まれる治療薬を一定時間保持して服用する治療方法です。
お薬を長期間服用することで徐々にアレルゲンを体に慣らし、アレルゲンに対する免疫をつけていきます。従来の対症療法とは異なり、アレルゲン自体に反応しにくい体質を作っていくため、根本的にアレルギーを治療する方法として注目されています。
当院では、スギ花粉症とダニアレルギー性鼻炎に対する治療を行っております。治療には適応年齢があり、スギ花粉症・ダニアレルギーともに5歳以上からが対象です。
なおスギ花粉の舌下免疫療法に関しては、開始時期を非飛散時期にする必要があります（ダニの舌下免疫療法は、開始時期は限定されません）。
効果について
完治率は2割程度とされていますが、症状の改善がみられたという方は6割程度いるといわれています。全体としては、舌下免疫療法を行った患者様の8割程度でアレルギー症状が緩和したということになります。
服用方法について
服用方法ですが、まずアレルゲンが含まれる錠剤を舌の下に置き、数分程度口に馴染ませてから飲み込むようにします。スギ花粉、ダニのどちらのアレルゲンにおいても1日1回の服用となります。初回の服用時はアナフィラキシーの可能性も考え、院内での投与となります。2回目以降は患者様ご自身による服用となります。同治療を開始して間もなくは、低濃度の量のアレルゲンが含まれる錠剤を服用し、徐々にその量を増やしていきます。その後、一定の量まで達すると、その量を維持し続ける服用をしていくことになります（3～5年程度）。
副作用について
なお副作用に関してですが、口腔内で腫れやかゆみがみられることがあります。また可能性としては稀ですが、アナフィラキシーの症状がみられることもあります（確率としては投与約1万回に対して1回程度で、アナフィラキシーショックに関しては約10万回に1回程度です）。
なお重度の気管支喘息のある患者様、自己免疫疾患や悪性腫瘍等の病気に罹患されている方などは、同治療を行うことができません。
